「格差があってなにが悪い」
 「格差があってなにが悪い」。小泉純一郎総理の発言とされる。衆議院で300議席超の与党勢力をもつ首相が新自由主義による経済運営をめざしているときに、発したものとされる。

 大臣の発言としては、「貧乏人は麦を食え」というのがあった。失言として野党の非難をあびた。池田勇人という人の発言。

 「新聞は出ていけ」。これは佐藤栄作総理の総裁退任時の発言。報道は批判したが、退陣の記者会見での発言であったから、責任を問われたとは言えまいが、新聞は自分のことを言われたわけだから、このときは「公のいきどおり」を示した。

 「格差があってなにが悪い」。
 言い方が上品であったから、メディアは問わなかったのか。それとも大新聞、大手民間放送の目指している施策を実施するうえでの常識であったから、失言としなかったもの、か。

 神野直彦著『「分かち合い」の経済学』は、一国の総理発言としては当を得ていないと、書く。
 テレビをみる習慣はあっても、読書習慣のすくない我が国では、あまり注目されないのかも。