渡辺 興亜著『南極大陸―その自然を読み解く』
渡辺 興亜著『南極大陸―その自然を読み解く』。南極大陸。観測がはじまって、半世紀以上が経過。本書はその半世紀の3年前に書かれたもの。
 「多くの知見が得られ、南極自然をほぼ理解したといえる」(「はじめに」)とするいっぽうで、「多くの探究すべき課題が残されている」ともいう。

本書が書かれた時点で44次の調査。最初の調査派遣では、敗戦国ならではの調査地点の制限もあったという(34p)。
 そんななかでも、本邦が明らかにした観測成果を3点。「火星や月のものもあった『南極隕石』」、「世界にさきがけてオゾンホールを発見」、「温室効果ガス測定」(59-66p)など。

 大陸の基盤は、基盤となる大陸地殻に氷床という氷床が乗っている。存在が推定されたのギリシャのプトレマイオスにさかのぼり、メルカトル図法のなかで記載されたという(16世紀中ごろ)。
 これからも観測は継続される。地球物理学の記載で難解ながら、「地球の特異な雪氷圏としての南極の解明」、大陸の基盤である「氷床研究」、地球上の暖と寒による対流の統合観測、地球科学や生物科学の諸現象の科学的解明(112-117p)、などなど。

 極寒の地での調査は、人類の耐寒のみならず、耐寒のなかでの調査器具の技術革新の結果でもあるよう、だ。(日本放送出版協会 NHK人間講座 2003年)

編集 ペン : 南極探検と言うと「タロとジロ」を思い浮かべます。犬が辛い目に会う話は本当に弱くて涙が出ます。色々な時代を乗り越えて日本人は大きくなったはず・・・いまは逆行してしまっている感がありますがそれはペンだけなのでしょうか