黒坂博著『釧路地方政党史考 中』。
 黒坂博著『釧路地方政党史考 中』。地方都市の政党間の緊張を書く。上中下三部作の中巻は、町制から市政に転換する約10年間が題材。
 中央の政友会系と憲政会系の対立が、地方議会にももちこまれ、首長や議会選挙に色濃く反映する。
 
 他方で熊本県人・林田則友が活躍する政治舞台が用意されている。
 林田はなぜ、市長に選任されなかった、か。林田はなぜ、市長代理を辞してのちも釧路にとまった、か。仮説を考えておく。前者は「国政野党地方議会多数党の憲政会系にとって、内務省の『ノーと言いにくい人物』を市長にすえる」。後者は「市民は自分を支持したが、憲政会が邪魔をした」。(釧路親書13 1985年)。