不透明 政権と金
 不透明 政権と金。同じ日に二つの論考を読んだ。

 奥田俊宏著「秘密解除・ロッキー事件」、海部俊樹著「政治家・小澤一郎に生前葬を」。前者は『世界』、後者は『文藝春秋』のどちらも3月号に掲載。

 政治とカネ。今の国会のテーマである。
 田中ー金丸ー小澤のライン。奥田著は、ロッキードと田中政権の間の金銭授受のその前に、CIAを介してアメリカの資金が、政権与党の懐に流れていた話。
 戦後、アメリカがめざした日本の非武装戦略が見直され、東西冷戦対立のなかで、共産圏封じ込めのため資金が用意されたと、する。
 沖縄の構図を解するに「なるほど」。田中と児玉誉士某とのつながりが見えてくる。

 海部の著は、タイトルからして自明。田中ー金丸ー小澤のつながりと、その金脈がなぜかつての政権与党ではなく、現在の政権与党につながるのかを、見通せる。

 説明をもとめる事実も大事ながら、今、説明をうけてもどうしようもないが、説明のつかないことをたくさん重ねながら、長期政権が維持された経緯も記憶しておきたいものと、思うが。