山本 勉著『仏像のひみつ』。
 山本 勉著『仏像のひみつ』。仏像は身の回りに多い。野仏を含めて、多数存在する。一方で仏像には部位や表情、形態にそれぞれ意味と原則がある。その意味と原則こそ、「仏像のひみつ」と言われる所以でもある。 「仏像の組織」という切り口もおもしろい。「やわらかいのとカタイのがいる」は、材質のことか。「仏像の中にはなにかがある」は、胎内記録や胎内銘品が含まれる。

 観音像など6種あるはず。ひとおり、それこそ組織だてて、紹介してほしかった。入門書として深遠な仏教哲学にふれる入り口である点には違いがないが。(朝日出版社 2006年)