小森陽一著『沖縄・日本の400年』
小森陽一著『沖縄・日本の400年』。地理的には、日本と東南アジアをむすぶ面のなかにある沖縄。

 交易に生きた地域をめぐって、中国と日本の覇権が綱を引き合い、そこに米軍が依拠する複雑にして、深刻な関係。
 幕藩体制のもとでは異国と位置づけられ、近代国家のもとでも、投資はしないが資源利用、利益のみを手にする地として位置づけられる。
 
大戦では防衛の手立ては無に等しいまま、多くの人命が失われた。
戦後は米軍の戦略のもとに、民有地が一方的に基地に化した。

 沖縄返還交渉。そのめざすところを「日米同盟の再編強化と、日本の大企業のアジア進出を自衛隊の増強とともに実現」と、読みとっている(76p)。
肯定・否定はともかく、沖縄の今を考える足掛かりとしておきたい。