意味重視
 友人がやってきて、新年の挨拶。
 「北海道は、おもしろい。暮れにお節をつくり、年越しに大半を食べてしまう。正月がきてもすでにご馳走はない」。「主婦が正月中に台所にたつと、カマドの神様が怒るけん、お節をつくって主婦が台所に行かんでも良いようにしているのに」。

 正月を迎えるスタイルが受け継がれ、親のように子供が真似ているうちに、なんのための正月、なんのための準備、なんのための休業なのか、忘れられてしまっているらしい。

 正月は歳徳神のお祭り。神への祈り、信仰が忘れられて、ご馳走が残った結果、正月が来て、祈ったうえで、ナオライをしたり、神威のさわりを防ぐ思いは、どこかへ行った結果、正月の祭事より、年越しが大騒ぎ、豪華になるという「転倒」が生じたらしい。

 形がのこって、意味が忘れられた光景