小田原
 かまぼこが著名である。一行の中に姪御さんが神奈川県内の小学校に勤務しているとのことで、箱根の宿に訪ねて来られた。

 同級生は聞いた。「どうして、小田原でかまぼこが売れるんだ」。北海道生まれ、まだ若い女性教員は、すらすらと答えた。「かまぼこは、腹持ちがよいのです。箱根の山を登るのに、蛋白源としても、腹ごしらいをするうえでも、最適なのです」。一同、納得していた様子。

 箱根の山は湯元から、登山電車とケーブルカー、ロープウェーで登った。船を乗り継いで、芦ノ湖を渡り、箱根駅伝のゴール地点で写真撮影。

 多くのものが「箱根駅伝」を知っており、思い巡らすもの居た。汗流し、涙流してタスキをつながなくても、交通機関でノンビリ来るとよいのに。

 箱根の山を、かまぼこ片手に歩いて越える人は、ほぼおるまい。それでも選手は走り、かまぼこ屋もも健在、繁盛している。