小春日和


この頃三日連続で外出し、今日は初めてのグランドゴルフに誘われ
仕方なく行って来た。

このスポーツをしている人達は私よりも年上の方が多く、
年の割には元気で健康美に溢れている。

そういえば母の誕生日をすっかり忘れてしまい、
お花を少し部屋に飾りお線香をあげた。

両親の故郷は北風の冷たい街だが活気のある賑やかな地方だった。
父が仕事で留守の時、予定より早く陣痛がきて私が生まれたらしい。

戸籍謄本を見た時、出産後僅か数日で母が役所に届け出した事が判り、
雪が舞い散る北風の寒い日に役所に行った母を哀れに思う。

年子で身体の大きな姉に比べて私は小さく生まれたうえに、
母乳は余り飲まない乳児でよく風邪をひいていたらしい。

祖父に家を建てて貰う迄の数年間は親戚の居候をしていた事を
三才位の私は覚えていた。

身体の弱い母は大家族の炊事や洗濯等の家事をしたり、
独身時代に習った和裁で収入を得ていた。

商人の家に育った父は農業を嫌いスーパーを経営する為に
商家の事務や販売等をしていた。

性格が物静かでおとなしい父に商売が成功するはずはなかった。
事業を始めて10年後には倒産し会社員になった父。

その間に姉を亡くした母は見て居られない程やつれ、
糖尿病も悪化していく姿を見た中学生の私はバイトで働いた。

中学の部活を辞め、早く家に帰ってバイト先に向かう日々を
高校卒業するまで続け、会社勤務をしながら料亭でバイトをしていた。

両親を憎んだけれど育てゝ貰った恩が有るから仕方ない。
両親が私の収入を当てにしても仕方ないと諦めた。

しかし若い時は自由な生活がしたくて親から自立したいと
試みたが父に連れ戻されて実家に戻った経験がある。

過ぎてみれば少女時代は苦しくても心温かい親が居た。
母にはできる限りの事をしてあげたと悔いはない。

今日は、風もなく穏やかな小春日和の日中に二時間外出しただけで、
植木の手入れや家事に専念していた。

編集 sakura1205 : ハルさん、こんばんは。いうも有難うございます。明日は歯科で痛い抜糸で留守します。
編集 ハル : やっぱり 情が深くてしっかりしていらっしゃるんだと思います。そのような状態では、子供と云う立場だと、親に腹を立てるのは当然じゃないでしょうか?しつこくてごめんなさい。<m(__)m>
編集 sakura1205 : 一度、家を出たの。でも父が頭を下げて死ぬと言われれば仕方なしに家に帰ったの。いつも有難うございます。
編集 ハル : そんな事ないです。大変でも逃げないで おかれた場所で幸せ見つけようと頑張れるのは、しっかりしてる証拠だと思います。
編集 sakura1205 : ハルさん、こんばんは。私はドジでしっかり者ではないです。昔は家出する度胸もなかったの。父が死ぬと言えば家出もできなくて仕方ななく、仕事の中で幸せを探していました。有難う御座います。
編集 ハル : 農家で、祖父母と共に暮らしてた私には 想像もしないご苦労なさったんですね。ご両親も内心は辛かった事でしょう。辛抱強くしっかり者のsakuraさんが、沖縄で暖かい冬を楽しく暮らせる幸せをお祈りしています。