五木の子守歌
おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先きゃおらんと 盆が早ょくりゃ早よ戻る。
おどんが打っ死んだちゅうて だいが泣いてくりゅうか 裏の松山蝉が鳴く。
おどんが打っ死んだちゅうて 道ばちゃ埋けろ 通るひとごち 花あぐる。
花はなんの花 つんつん椿 水は天から もらい水。

子守奉公も盆で年季が明け、恋しい父母がいる古里に帰れる日が待ち遠しい。
遠く離れた所に子守奉公に来て、私が死んでも誰も悲しまない、
只、蝉が鳴くだけで寂しい。
私が死んでも墓参り等してくれないだろう。
それなら人通りのある道端に埋葬して貰った方が誰かが花でもあげて貰えるだろ。
あげて貰い花は何でもいいが、道端にある椿の花で
良い水がなくても、雨がふってくるから。。。

五木の子守歌の意味を調べると明るい言葉が出てこない。

普通の子守歌に比べると何と暗い子守歌だろうと思う。
この女の子は12才前後か何才か判らない。

言葉使いが男の子みたいな点もみられる、恐い感じを受ける子守歌。
昔も今も裕福な家庭と極貧の家庭がある事は変わりない。

私が、初めて知人宅に子守に行ったのは14才頃で
中学の授業が終わった後の3時間くらいだったと思う。

あの時、裕福な家って大きなビルが仕事場で住まいは別に有り、
食生活も全く違い、良いなあと少女ながらに憧れた。

父は、貧乏は恥じる事はない、人に迷惑をかけなければいい、
何度も私は聞かされていた。

今、思う事はお盆だからといい高価なお花を飾らなくても、
川沿いに咲いている百合や山々の野菊でもいいのではと。。

今日も猛暑日の日中になり、東日本大震災から5ヶ月が経った。