春の宵 
四月に入って気温が上がり暖かい日が続き、
静かに降る程度の雨では空気が乾燥している。

近所の桜は、風に吹かれて吹雪のように散るばかり。
日当たりの悪い山影に行けば山桜が咲いていると思う。

青葉の色に染まった白い桜が黄緑に咲いて
栄養が足りずに顔色が悪い感じ、

薄ピンクの桜は陽光をいっぱいに浴びて明るい感じがした。
どちらも命は短くて儚い。

誰も見向きもしないタンポポやスミレは刈り取っても
後から後から出て、私の姿を見て!と言っている。

午後、手作り池のホテイ草を取り除いた後が殺風景なため、
畦道の若草を奇麗に洗い、池に浮かべた。

春になり水温が上がった池で金魚達の動きも良くなって、
大きな肥満金魚は我がもの顔で口を動かしながら
泳いでいる。

大きな金魚は小さな鮒達を追いかけまわし、すばしこい。
夜になれば雨は一時的に止み、少し冷えた空気が部屋の中に漂う。

あっという間に春の宵は過ぎてしまう。
春の宵は何となくほのぼのしていいもの。

再び、春の雨がぽつぽつ降り出して
雷を伴い、明日は夏日になる予報を聞く。