冬めいて 
昨夜、午後23時半を過ぎても起きない次女を「××ちゃん、35分よ。」
そっと静かな声で起すと、「有難う、遅刻するところだった。」

そして主人が午前0時に車で深夜勤の次女を送って行った。
0時半にお布団に入った私は、風の強い夜だわ、

あれは汽笛の音じゃない、ブイの音かしらと耳を傾ければ
やっぱりブイの音かも知れない。

そして今朝、湾の向こうの岩礁にあるブイの音、
まだ暗いうちに起きて働く漁師さんの声、
冷たい風の朝だった。

今年の霜月は気温が低くて晩秋でも冬がきたような感じがする。
風の中を霧が混ざるような寒い日曜日、

田園に白鷺が一羽ぽつんと遊び寂しそうに見えた。
カモメは、私の頭の上を得意そうに羽を大きく広げて飛んで、
知らぬ間に海の方に帰っていく。

今日も遠回りして、冬めいた畦道を歩いて帰って来た。