お墓で泣いた日
お父さん、お母さん、長年会いに来ない親不幸を許してね!
立派な石塔も建て変えていないお墓で、私は両親に詫びた。

すると涙が止まらなくなり、声を出して泣き、
何時までも墓地に座ったまま泣き続けた。

二回り以上年の離れた、力のない両親の老後は、
事業の失敗で惨めな生活だった。

「××ちゃん、お家に帰ろう!」叔母さんに声をかけられ、
二人で従兄妹の待つ家に昔話をしながら歩いて帰った。

昔の東京は近所の人達が仲良くて楽しかったが、
高層ビル街になって知人も少なくなってしまった。

静かな地方暮らしに慣れた私には、
長年住んだ都会の人混みに疲れる感じがする反面、

賑やかで楽しいという気持が入り混じり、住めば都だと思った。
自然の美しい地方と賑やかで便利な都会、どちらもいい。

さようなら、お父さん、お母さん、又来るね!
私は車窓の中から、両親に別れを告げて今日、自宅に帰った。