残暑
朝から、物凄い暑さの中、主人は近隣市にリフォームに出て行った。
洋服を見ればリフォームをする様な物ではなく、外出用のズボンを履いて

「昼食は、要らない。お前は来なくていい!」不動産屋に寄ってから
アパートのリフォームに行くと聞いていた。

其の後、退室した方の水道料金の件で水道局から電話が掛かってきたが、
主人の携帯にかければ電源が切ってあり、連絡も取れない。

次女も外出したので、私は、炎天下の中を大型スーパーへ買物に行って来た。
電気自転車に乗って行ったので暑さで喉が渇き、熱いお茶等は飲まずに

冷たい物ばかり飲んでしまう。夕方から東の空が真っ暗になり、遠雷の音を聞く。
ぱらぱら雨が降り出したが、すぐに止み再び、辺りが明るくなってきた。

黒い雨雲の流れは早く、ほんの僅かな時間に東から西へ流れて消え去る。
少しでも雨が降れば涼しさを感じる。

ブルーの空よりも、やや色濃く富士山が姿を現し傘雲が浮かび、
外に出れば、日中の暑さが嘘のように冷んやりした空気が漂っていた。

不安定な空を見つめて、主人の心も掴めない自分の愚かさを考えながら
夕食の支度を済ませ、電話もかけずに彼の帰りを待っている。