胡説八道
 僕はよく母親に出鱈目を吹き込まれます。
 多分、母親は冗談の心算で僕に出鱈目を言うのでしょうが、いつも真面目な顔をして真剣に言うのでついうっかり僕はその出鱈目を信じ込んでしまうのです。

 母親が僕に教えた出鱈目が出鱈目だと分かるのは時間が経ってから、僕がその出鱈目を誰かに話した時。
 今迄何度も親から教えられた出鱈目を本当の事だと信じ込んで他人に話し恥をかきました。

 おかげで母に何かを教わっても直ぐに辞書や辞典で真偽を確かめる癖がつきました。
 確かめてみたところ、母が僕に教える知識のうちの約九割以上は真実で、一割未満が嘘でした。

 そういえば、以前母が僕に「嘘をいう時は本当の話の中にほんのちょっぴり嘘を入れた方が信じてもらえる」だと話してたけど。
 ありゃ経験談だったのか。