ウラのある話
 「其の話絶対裏があるやろ?」
 何人かの女のこに同じ話を持ち掛け、悉く断られました。
 
 昨日、先輩にメールで先輩の友人に興味を持ちそうな女のこがいたら紹介してくれと頼まれたのです。
 其の友人は最近彼女が出来掛けたのですが、昨日あっさり相手に振られてしまった模様。
 其の先輩の友人の事を僕は知らない訳ではなかったので「仕方無いなぁ」と思って身の回りの女のこ幾人かに打診して回ったのです。
 
 人間はある対象に付属するもののプラス面ばかり強調されると反ってマイナス面を感じるものなのだそうです。
 「こういう人がいるんだけど、如何?」と其の人の学歴・性格・外見など、僕が色々良い点を並べ立てたのが災いしたみたいです。
 「京大理学部に在学中で、院試にも受かっていて、見た目は普通だけど鍛えてるからしっかり筋肉ついてるソフトマッチョな感じの人で、顔は京大に居る割には悪くなくて、性格は温厚で少しお茶目で面白くて、女のこに親切で…」彼の長所を並べ立てれば立てる程、「其の話、何かウラがあるんじゃないの?」と僕は疑われてしまうのです。
 「そんな人が如何して今迄彼女が出来無かったの?」と疑わしげな眼で訊かれてしまうのです。
 
 まぁ、確かにウラがあるといえば無くも無かったんですが。嘘はつけないので、女のこ全員に謂いましたよ。
 「ごめん。一個だけ欠点を黙ってたんだけどそのひとの趣味はストリップ観賞。」とね。
 いや、でも本当にいい人なんですよ。其れさえ無きゃ。