六月の終わり
 独語のレポートを書こうとしてるのに頭にぐちゃぐちゃ浮かんで邪魔をする。
 今年の六月は今日で終わり僕は十月迄彼の亡霊から解放される筈なのに、今違う束縛を感じるのは気の所為だろうか。

 ある種の幸福を本能的に回避する誰かの周囲にぐるりと張り巡らされた壁を遠慮がちにトントンとノックして中に入ろうとしている人が居る。
 誰かは僕かも知れ無いし、入ろうとしている人こそが僕なのかも知れ無い。
 僕は何時迄経っても自分の感情に慣れ切れ無し、素直な己なんてものは存在し無いと思い続けて居る。

 今年の命日も僕は場所を探せて居無い。是で僕は三回現実では無い事実から逃避した事になる。