可愛く無い
 今日は休日であり桃の節句であるのに試験により浮かれる余裕無し。

 帰りのバスで気になった事が一つ。
 斜め前の席のおにぃさんが態々後ろを向いてずっと僕の方を見てました。
 気の所為かなぁ、と気にせずに降りるバス停に着くまで名駅付近のアニメイトで買い込んだ本を貪り読んでましたが…気の所為では無かった様子。読み終わった本を仕舞って新しい本を出そうとした時、降りる停留所が近付いたのでボタン押そうと顔を上げた時、降り様と席を立った時、降りてから何気無くバスを見上げた時、僕を見ていたその人と目が合いました。
 まさかずっと僕を見ていたのだろうか…いや、僕がその人を見ていたのかも知れん。それとも僕の顔に何か付いてるとか、僕が面白い顔だったからとか…色々考えましたが「僕の可愛さに見惚れてたのかな♪」なんて発想にだけは至りませんでした。僕は可愛くありませんので。

 バス停から実家迄行く途中、何処かで見覚えのあるおやぢ発見。様子を伺うかの様な素振りで事務所付近をうろついてました。
 「亦警察に訴えられたいのかよ、おっさん。」と本人に直接云いたくなる衝動を抑えて僕が僕だと気付かれぬ様遠回りして裏口から家に入りました。どうせ奴は厚化粧して化けた僕の顔しか知ら無いのですっぴんの僕がひょこひょこ出ていっても気付かれはし無かったでしょうが用心は惜しむべきじゃ無いです。
 これだけは自信を持って謂えるが、僕は決して可愛く無い。僕は僕自身を性格・外見共に醜いと自覚しています。なのに何故未だにあのおやぢが僕をストーキングしているのか理解出来ません。

 帰宅後夕飯をとり寛いでいたらいつもの無言電話が携帯に掛かってきました。
 今日は寿司を食べ日本茶を飲んだ後だった所為かいつもよりは精神的余裕があったので黙って直ぐに切らずに「貴女には暇があって好いですね。」と何も云わ無い受話器に厭味を云ってみました。
 「ちょっと可愛いからっていい気になら無いで。」と何処かで聞いた覚えのある決まり切った台詞と共に電話を切られてしまいました。
 何度も繰り返しますが、僕は可愛くありません。

 で、見ず知らずの人にジロジロ見られたり、ストカおやぢに何年も付き纏われたり、同世代のお嬢さんに無言電話掛ける程恨まれる、其等の理由って何なのでしょうか。
 「可愛いから」なんてのが理由で無い事だけは僕にも判ってます。