置之不理
 構わ無いのが一番だとは判っているのだが苛ついて仕方無い。
 こんな奴を泊めるのでは無かったと心底思いながら、出来るだけ音を立てずにキーを打とうとしている僕が厭だ。

 僕の視線の右斜め先に友達が布団を敷いて横になっている。
 僕の身体を気遣って睡眠時間を心配するのは構わん。だがな、如何にも気に食わぬ様子で忌々しげに舌打ちをするな。早く寝ろ、と一方的な物言いで僕の作業を邪魔するな。
 言い争っていたら余計に眠れ無くなってしまった。

 苛つきが止ま無いからずっとキーを打って作業。
 そして横になった奴はキーの音が耳につく度に、一々舌打ちや溜息を僕に聞える様にする。
 悪循環だね、コレ。