「空」思想に二つの概念 こころの時代210626
 「空」思想に二つの概念 こころの時代210626



 「すべてに実体がない」。
 これが「空 くう」の概念と思っていたが、さらにもう一点。

 「すべてが互いにつながっている」。
 こおちらは「縁起 えんぎ」とする領域ではないかと、思いめぐらした。

 大衆仏教。
 「空」の概念は、仏滅後100年で発生した「大衆部」のなかで発達した、と。
 その「大衆部」「上座部」の分裂を「根本分裂 こんぽんぶんれつ」。そのように規定するのだ、と。
 「南路仏教」「北路仏教」。あるいは「小乗仏教」「大乗仏教」などと称しているも。

 『清浄道論 しょうじょうどうろん』。
 5世紀頃に成立した書物。なかで「瞑想の観察対象が40種類も紹介」と。
 「仏教のあり方も活発に議論され、分派が進む」のだと。
「瞑想」は「苦しみ」から逃れる道、すなわち「瞑想=心身の観察」。
 しかしながら、「苦しみ」にはとらわれない、「『一切は空である』と説く大乗仏教が登場」すると言う。

 「縁起」は原始仏教で「相依りて立つ」の比喩があるも。
 「全てが互いに関わり合うことで成り立っているとする「空」=縁起の側面にも「気づく」ということか。


 「瞑想でたどる仏教ー心と身体を観察する」は「こころの時代~宗教・人生~」の6回シリーズ第3話。
 箕輪顕量師は東京大学大学院人文社会系研究科教授。陸上競技選手の為末大氏が出演。