木材流送師の移転 徳島・海部郡 大正元年
 木材流送師の移転 徳島・海部郡 大正元年。
 海部郡 徳島県南東部に位置する郡。

 海部川
 郡の軸をなす海部川は二級河川で、紀伊水道に流出する川の流域。海部川は標高1372メートルの地点に源流部があり、36キロメートルの延長距離をもつ。

「かつては林業で栄えた過疎地を流れる海部川水系は開発などの俗化を免れたため、ダムもなく」と、清流・名水の所以を記載。



 郡内の自治体 牟岐町(むぎちょう)・美波町(みなみちょう)・海陽町(かいようちょう)。

 昭和 10=1935年刊行の「徳島縣木頭の林業」に、「(鎌倉時代のことながら)大由郷が那賀川流域のことであり、当時、この地域から近畿へ向けて木材が運ばれていたことが分かる」と、あるそうで。 

 流送は
 「藩政初期から行われ」「船で大阪の木材問屋に販売」とある(網田克明著「未来につなげる長国の森~県南部の林業史~」 2017年)。

 「明治 25 年(1892)7 月 23 日に高知市に上陸した台風」による被害。「同じ頃、海部川の保瀬でも災害が起き」とする。「家族十一名、長雨を避け食を求めて投宿指定していた山稼人三六名は家屋とともに生き埋め」の被災を体験したこともあった(前掲書)。

 「第1次大戦(大正 4 年(1915)〜7 年(1918))による好況は木頭地域の天然材生 産における最後のピー クをもたらし」(同)とは、世の戦時好況、戦後不況の波にもまれた姿を彷彿とさせている。

 https://www.tokushima-pe.jp/wp-content/uploads/cdd3e9f1b1355603dfbc30fefe2da4ac.pdf