再び『私の戦後民衆主義』
再び『私の戦後民衆主義』.
 昨夏から秋にかけての国会論議.
 そこで明確になってきたのは、平和主義のみならす民主主義でも、理念はいわれても方法、技術の未成熟ではなかった.か.



戦中・戦後生まれの論者
 本書は五部構成.Ⅳ部、Ⅴ部となると、戦中・戦後生まれの論者が登場する. 
 理念をうけつぐも、方法の点で未成熟で.この観点が示されている点が、きわめて印象的.
 
 内田 樹(うちだ・たつる)「(戦後民主主義を)実現させるための技術知の裏づけを欠いていた」(思想家 150p).

 川村 隆「(普通市民の中に)自分自身の生き方を主体的に選べる人」「社会活動に参画でき、政治的にも責任ある判断のできる層を出現させ、育成しておくこと=21世紀型市民層」(経済界 145p)

田中秀征「戦後日本の統治構造(政治と行政の仕組)に致命的な欠陥」.「チェック機能が有効に働かずいわば機能不全」(138p)、「(行政は)いつも他者に責任を押しつけて逃げ切ってきている」(評論家 139p)

 内田氏は「(民主的制度)形式的には存在したが子どもたちはそれを機能的に運営するノウハウを身につけていなかった」(148p)と、する.
 その子どもが大きくなって、「職業としての政治」(M・ウェーバー)を、担当することになったか?、我が国は.