信頼を築く極意 保科正之
信頼を築く極意 保科正之.正之には将軍・家綱補佐役の他方で、会津23万石の経営があった.

 信州・高遠、山形、会津と配置転換される中で、家臣・領民との「信頼を築く極意」.

 (知恵その一)「都合よくもるな」.
 前領主は、万石あたり200人の家臣を養えることをタテに、「大きく見せていた虚勢を、実態にあわせて」.
 結果、-2万石の不足とおもわれた石高が、実は3000石の増になった、と.(保科「荒れ地は非課税」、農民「実は隠していた新田開発地がありまして」.落ち込み-2万、あらたに申告地+2万3000石).
 懸案の「口論、喧嘩やむことなし」が解消されたと、する.

 (知恵その2)「困っている人を見捨てるな」.
 「社倉(しゃそう)」を設け、冷害凶作では無利子、平時は利息をおさめさせるも、利息は飢饉時の備蓄米に.
 潤沢に米を確保でき、食糧危機が解消.
 「賑恤(しんじゅつ)」は90歳以上の高齢者に、5合/日の給付.現在の年金制度のはじまりとする.
 宿・交通で、病死・困窮者をなくす.農民に旅の安全を保証させ、無賃者の支出は大名が、「負担」と.
 高遠、山形と家臣も同行させたが、派閥をつくらぬために、かわらぬ処遇.頭をはたらかせた.

 そもそも会津は東北、越後との交通の要地.行き先に日光社参、江戸の参勤交代があった.

 支配に交通を、さらに経済の要衝に高めた.立地の良さが必ずしも豊かさとはならない.むしろそこで構築される人間関係が複雑、微妙となるも、リーダーの知恵は、隘路を開くか.

 高遠蕎麦.会津に根づく.大根のすり下ろし汁に、味噌で味.醤油が貴重品であったから、とする.(NHKETV 「知恵泉」 141216).