市川伸一著『勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス』
市川伸一著『勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス』。認知心理学という領域があって、現代の心理学における基本岩波ジュニア新書)
著者:

的なことがらを紹介しながら「勉強法について考え直す」と、掲げられている(III)。
 
 「学習観を見直す」、「記憶する」=英語・歴史を主軸、「理解する」=文章、「問題を解く」=数学、「文章を書く」=小論文。
 記憶ー理解ー問題解決。試験対策の授業理解の観があるが。

 詰め込み主義にかわる「問題解決・総合学習」への見解もある。その可能性を指摘しながらも、次のように整理をする。
 「テスト勉強をしていれば十分というわけではないが、テスト勉強だからといってバカにして、高校で習うような知識の習得や問題の解決すらしなかった(できなかった)人が、社会に出て急に優れた問題解決的な仕事をすることはめったにない」ということだ(145p)と、しめくくる。
 
 章ごとに「本省のまとめ」があって、主張点は明白。問題に瞬時に解答を用意する方法と技術は身に付くこと請け合いながら、質問や作問にポジティブに取り組む気質はどうなるのかと、思いめぐらした。(岩波書店 2009年)。