兼子 仁著『新地方自治法』。
 1999年に行われた地方自治法の改正は、地方分権推進法とそれに基づく地方分権推進委員会の考え方がもりこまれて、戦後憲法に規定された地方自治の考え方を大きく転換した内容となったことをうけ、本書は旧著を大幅に書き換えられた。

 この改正によって憲法理念とは別に、国と自治体、都道府県と市町村は、それぞれ従属すると位置づけられていた実態から対等になったと解され、市町村は先端自治体として権限委譲がすすんだ。
 
 市民生活と深い関係があるだけではなく、都道府県や市町村の職員にとって自治体と自治体行政にたずさわるうえで、理解を必要とする点は拡充している。
 法律の解説書でありながら逐条解説に終始すせず、地方分権と直接民主主義にかかわる領域を中心に、具体的な施策や判例をもとに法の論理性から解釈論を展開する。(岩波新書 1999年)