塩田丸男著『すこやかに老いる』
 塩田丸男著『すこやかに老いる』。高齢化時代をまっしぐら。老いには百人百様の生き方がある。《すこやかに老いる》は目標であっても、そのように生きることができるかどうかは、結果しだいということ、か。

 論はあっても、実行がむつかしい。核家族ぼ定義。G・P・マードックが作ったものだそうで、「夫婦と未婚の子どもだけで構成される家族」。厚生労働省の定義だと、夫婦のみの家族や一人親と未婚の子の家族も含まれるとする(28p)。

 日本のサラリーマン夫婦は会話が少ないというが、調べてみると一日平均2時間くらい。ただし、うち夫人がシャベルのは1時間57分にして、「夫は3分間なのですよ」と、これは鈴木健二アナの解説なのだそうだ(112p)。

 トンチン年金の話もある。中曽根総理は導入しなかったが、子や孫は年寄りの長生きを望むけれども、他人の高齢者は早く死ねばと、これは倫理的でなかったとある(126p)。

 かくて、「皆さんのめいめいが真剣にお考えいただくほかないと思います」(末尾)ということになる。結論より、過程が大事ということ。