岡田芳朗ほか「古今東西カレンダー物語」(3)
 こうしてみると、暦には情報が満載である。本書は、そうした楽しさをひきだし、暦の背後にある意
味あいの豊かさを解きあかしている。

 12月25日のキリスト生誕の日のあとに、1月1日の新年が始まる。
 周知のことながら、西暦はというと、キリスト誕生の時からと受け止められている。しかし、それで
は農耕の作業暦にわずかながらの狂いが生じるのかも。

 キリスト教の教皇権力と世俗の皇帝権力の妥協の過程でも、あるようだ。東西の暦。長い間の人類の
経験則。そこから、未来をみつめる理論則が生まれているようだ。