西尾 勝著『行政の活動』。
西尾 勝著『行政の活動』。行政学の対象に、制度論、管理論、政策論があるという。

 「行政活動の範囲」、「行政活動の性格」と、読みすすんでいくうちに、古代・中世において外敵防止や治安、治水を権力が担当し、近世では重農主義や重商主義導入で殖産興業が関心事。近代は都市化によって、社会・労働・産業政策が求められる。では、現代はといえば「福祉国家」への道が広がる。

 肥大した政府に対して、その縮小が課題となっている。政策をすすめる見返りに、権力は税を徴収し、古代・中世ではそれが王宮や神殿に投資されて、権威のシンボルとなった。近代は生存権の保障が要請され、現代は「国民は健康にして最低限度の生活を営む権利」と、憲法にも書かれるになった。

 国家施策と自治体施策の分岐点はどこにあるか。施策対象の広狭と担当職員の裁量権の広狭にあるとーと、する。対象が広くて、大きな裁量を要する施策は、住民が参加する民主的な手続きを必要ろするのだと、言う。

 坊主が預けていった、学生時代の教科書。
 放送大学のテキストして、1992年に初版が出たらしい。時代は経ているが、行政施策の内容を点検し、実施の必然性を理論化している点では、行政の機能と役割を整理する指針を示す。