冬桜
心地よい風が吹いて小鳥のさえずりが聞こえる、
最寄りの公園を散策して青空に感謝する。

緋寒桜は未だ五部も咲いてはいない、
でもこの暖かさで一気に咲く感じがした。

太陽は池や川底の隅々迄あまねく照らし、
蝶々が舞い、春がきた感じをうける。

これだわ、これが沖縄の二月中旬の気候なんだわ。
紫色の菫が日光を浴びて眩しそう。

誰も見向きもしない菫が樹木の隙間から
力を振り絞って芽をだし花を咲かせる。
そんな菫が愛しくてたまらない。

緋寒桜祭りは10日から14日迄開催される。
例年より気温が低かった為か咲くのが遅い。

残念ながら満開に咲くのは1週間後位でしょう。
広い公園を歩きながら美味しい空気を胸いっぱい吸う。

風が樹木の葉を揺らし一枚の葉が私の顔にひらりと落ちた。
その重みのある葉を拾ってみても名が判らない。

緋寒桜は三部~五部咲きでも桜祭りで活気があり、
園内各所で各種の模擬店を展開し楽しそうだった。

ソメイヨシノの豪快さはないけれど、
桜を見ながらのんびり楽しむ気持ちは同じ。

人も何十年生きようと何時かは散る時がくるから、
人を愛し、人に愛され、楽しく生きたいけれど、
それが思うようにいかない。 

冬桜も人々に分け隔てなく心を和ませてくれる。
私は、冬桜のように苦しむ人を和ませる事も出来ない。

自分の悩みも解決できない無能な人間が、
心から人に優しくできる筈がない。

誰でも波長の合わない人は居るし、
疲れるから無理に好かれたいとは思わない。

でも生きることの難しさをつくづく思う。