炬燵




彼誰時に雨音で目覚めれば午前6時45分。
窓を開ければ心地よい風が吹いていた。

その雨も一旦は止んだものの、
再び降り出し予報が外れがっかりする。

いつものように坂道を登り汗を拭く。
なんとなく忙しいこの頃、足取りも重くなる。

洗濯洗剤、お米、お野菜、お肉等の食品を持ち、
師走と言うのに汗が流れる。

沖縄惣菜が苦手で内地の食品を探し
同じような物ばかり作ってしまう。

お肉と言っても少し使う位でステーキ等
1年以上食していない。

もう師走の中旬、内地に居れば炬燵を囲み、
食事をしていた昔を思い出す。

美味しいご馳走等何も無かったけれど
家族の団欒があった。

21才の頃は会社勤務し午後6時帰宅、
そこには父と母の笑顔があった。

その後、友達の経営する料亭に3時間位バイトに行き、
再び帰宅した時は父が待っていてくれた。

年老いた父も会社があるので早寝する様に話し、
私も午前0時には床に就いた。

病弱な母は私が29才の早春に亡くなり、
一緒に居られた時間や想い出は少ない。

今なら時間に余裕があるから何でもしてあげられる、
今なら愚痴もいっぱい聞いてあげられる。

もう遅い、遅いけれど永遠に両親は私の心に住んで居る。
不思議と両親にお願いをした事は必ず叶う。

有難う!お父さん、有難う!お母さん!
小さな安っぽいお墓ですが喜んでくれましたか。

両親のお墓を新しく建てるのが夢だった。
私を捨てた両親の憎しみは海に捨てたから、
何も心配しないで欲しい