向日葵
昨日、強い日差しが照りつける日中、
半年悩んだ末、医者嫌いな私は思い切って歯科に行った。

親不知が半年前から痛み、ずっと我慢をしていたが、
いよいよ重い腰をあげて歯科で抜歯をして頂いた。

麻酔の注射をした後、80才は過ぎたと思う老医師が、
「しっかり歯茎に着いているので中々抜けない。」呟いていた。

「先生、頑張って!」私は、笑いそうになる気持をおさえている内に、
抜けた瞬間も気付かずにいた。

抜歯がこれほど楽なら、もっと早くすれば良かったと
後悔ばかりが先に経つ。

来週からは、奥場の2本の虫歯治療をする予定になっている。
早く治療していたらと悔やんでも過ぎた事は仕方がない。

若い歯科医師は知っているけれど、
昔から同じ医師に見て頂いているので老医師を信じている。

この先生の二人の息子さんも歯科医だと聞いた事がある。
私は、仕事の丁寧な老先生が好きだから長生きをして頂きたい。

そして、ぐっすり眠った今朝6時過ぎ起床。
蝉の声が急に賑やかに聞こえ、小鳥のさえずりも微かに聞こえていた。

川沿いに真夏の花の象徴である向日葵が大きく開き、
太陽のある方角を向いて咲いていた。

季節の移り変わりは早く、彼が旅に出て16日が経過し、
世間の冷たい眼で見る人が居ても気にせずに堂々と暮らしている。

向日葵のように太陽に向かい、目的をもって一途に。