天高く馬肥る秋
あの空は水色ではなく紺色の不気味な空だった。
少し経つと海の色まで紺色に変わり
その波が私の傍まで津波のように押し寄せた。

私は山に向かって必死に走り続けて山の頂上にたどり着き、
ほっと胸をなでおろした。

気が付くと小鳥達のさえずりが賑やかに聞こえる今朝、
こんな夢をみていた事を思い出し、
夢で良かったと思う。

滅多にみたい夢ならばもっとロマンのある楽しい夢をみたいもの。
でも夢を選ぶ訳にはいなかい。

稲刈の終わった水田に雀達がいっぱい集まってうるさい、
農家の人達も慌しく水田に集まり、
忙しそうに作業をしていた。

それが何をしているのか、私には全く判らなかった。
顔見知りの人に「明日から雨が降ったらトラクターが使用できない。」
教えて貰い、稲刈の終わらない農家は慌てゝいた。

秋晴れの空は何処までも高く、まさに「天高く馬肥ゆる秋」
天を地球の周りにある空気の部分と仮定すると、

暑い太陽光線を受けて空気が膨張する夏が最も高く、
冬に低くなるので秋は中位の高さ。

馬肥ゆる秋は、中国北西部の農民は秋になると馬に乗って
略奪に来る蒙古人を恐れていた。

夏の間、開放していた馬がたっぷりと草を食べて肥ってくる秋に、
農民達は蒙古の襲来に対する警戒心を呼び起こす為、
「馬肥ゆ」を引用したと伝えられる。

人間も秋になれば、ブドウ、柿、みかん、なし等の果実やお魚、
美味しい秋の味覚が食欲を誘う。

気温も空気も心地よく大気の状態も安定し、強い風も吹かすに
空が一年のうちで一番空気が澄んで青く見える。
奇麗な大気を大切にしたい。