夜長
昨夜、扇風機を近づけてタイマーを入れずに眠ってしまい、
気が付けば朝迄ずっと扇風機が動いていたので、
焦ってしまった。

主人が将棋の試合に行くので「何時頃帰るの?」すると
「うるさいな!」この一言で二度と聞くまいとした。

マンションから一時的に戻った娘さんも主人が居なければ困る為、
主人が留守の時は、「お父さんは?」彼を凄く頼っている。

苦労を知らない彼女は幾つになっても親離れ出来ず、
主人のアパートが老朽化しているため、「売ってしまいたい」と、
彼の許可なく、欲の深い事を口走っている。

私は、こんな生活に疲れて親友と二人で市内のアパートを
見て来たが、買物や交通に便利で気に入った場所は中々見つからない。

主人は、自由に生きていても私と別居したいとは言わない。
「家の中が散らかって狭くなって悪いな。」と彼は私に言った。

この3週間、洗濯物が散乱し、洗面所は色々な物で身動きできない。
世帯主の主人に任せているのだから、時が動く迄待とう。

私が33才の立場なら主人の様な若い父親が居てくれたら
どんなに気楽に暮らせただろうか。

33才の時には父は70半ばを過ぎたお爺ちゃんで、
何も出来ず私を頼って生活をしていた事を思えば、
世の中には様々な親子が居る。今更悔やんでも仕方がない。

両親は居ないのでお年寄りを見る度、生きていたら同じ様な年かしら、
ふとそんな事を思う時も有る。