小さい秋 
♪誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが 見つけた
小さい秋 大きい秋 色々見つけた。


久しぶりに自転車に乗り二時間くらい走って来た。
晴れたり曇ったりの真夏日のなかに少し秋を見つけた。

山々から緑の風が吹いて、稲刈りの後の青々とした匂い、
無花果が赤く実って草の間から秋の花が咲いていた。

あゝもう秋さんだわ!そう思った。
こういう暑い日が続く秋もあるんだと。

カモメ達も秋がきた事を判っているのだろうか。
きーきー鳴いて何処へ行こうとしているのか。

それが運命のように虚ろな海に潜ったり浮かんだり、
僅か数秒の波動の中に崩れ落ちる。

時を浄化するものは、海でも風でもなく、
夢幻なる意思ならば小さな秋を笑顔で迎えたい。

私が物欲しげに無花果を見ていた所、
農家の顔見知りの奥様が、「無花果が好き?」自転車の籠に入れてくれた。
恥ずかしいと思いながら好意に甘えてしまった。

あの奥様には、再びあのお宅を通ったら美味しい物をお返ししよう。
なんと子供じみた事をしたのか、
それでも笑顔いっぱいで接してくれた。

夕方虫の音が賑やかに聞こえ、ちょっぴり秋を運んでくれる。
春夏秋冬の時節は自然が教えてくれ、遅い秋がきた事を知った。