藤棚 
昨日迄は真冬並みの寒さで暖房も使わずに家事をしていた。
雨が降り風が強くて外出先で眠気も覚めるほど
突風が吹き荒れていた。

今朝6時起床した頃は、静かな雨がしとしと降って
「予報がはずれたのかしら。」がっかりしている間に
ぱっと太陽が顔をだし、喜んでしまった。

県内で今日から「藤の花祭り」が始まっている場所もあるので、
桜祭りに行けなかった私は、今度こそ行こうと予定している。

桜が散ると必ず藤の花が見られるので楽しみにしている。
幼い頃、父が家の裏庭に藤棚や葡萄棚等を作ってくれた。

藤棚が高くて藤の花を下から見ていたら、父が「傍で見てごらん。」
父の肩に乗って、その花を眼の前で見た思い出がある。

昔の事でその時の香り等は覚えていない。只、それが原因かどうか、
判らないが、高い跳び箱を飛んだりお転婆だったと思う。

梅の香りも割りと強いけれど、藤の花の香りはもっと強く
近くに行けばぷーんと甘い香りが漂う。

少し暖かくなり春らしさが戻ってきた玄関先の血潮紅葉の樹木から
紅葉の形をした小さな木が同じように咲いて自然の力は凄いと思った。

昔植えたというちゅうりっぷも、今春初めて真っ赤に咲いて嬉しくなる。
ゲートボールにはまっている主人は、チームを作ると言い、

器具を7人分取り寄せ、専用の黒板を居間に置き、入会者の為に
色々な道具を作っている。まめな点は亡き父に似ている。

主人と父の違う点は、父は物静かで旅行も行かず働けども貧乏から
抜け出す事ができない運の悪い哀れな父だった。
ごめんなさい、お父さん、過去を振り返れば涙がこぼれる。