冬の雨 
久しぶりに、しとしと静かに夜の雨が降っていた。
冬の雨は冷たくて傘を持つ手も悴んでしまう。

友人が旅行に行った事も忘れてしまい、
知らぬ間に私の足は彼女の自宅に向かってしまった。

一泊で帰って来るのに姉のような彼女が留守になると寂しい。
私は、なんて寂しがりなんだろう。

今朝も、ぽつぽつ雨音を聞きながら寝坊して6時半起床。
洗濯器が廻っている間、急いで朝食の準備をしておき、

プラ包装容器を表通りへ出しに行った。婦人会の奥様に出会い、
「お早うございます!風が冷たいですね」

優しい奥様なので嬉しくなって声も弾んでしまった。
丁度、雨もあがり、太陽の眩しい晴れの朝になる。

僅かな雨でも、雨上がりの朝は寒さの中にも清々しさがある。
菜の花から雨の雫がぽつんと落ちて、明るい色が日光に輝き美しい。

微かに吹く風は冷たくても、日中は16度前後まで気温が上がるとの予報。
この暖かさが、例え一時的でもいい、

一日でも、春めいた気持になれるだけで嬉しくてたまらない。