少子化と賞与
 今週たまに挨拶を交わす程度の仲の赤の他人のおばあちゃん(成人したお孫さんがいらっしゃる)に話しかけられて「そんなことを実際のデータを知らずにそう思い込んでるの?!」と驚いたこと。
 「少子化の原因」と「若者のボーナス額」について。
 びっくりしてそのおばあちゃんと同世代の自分の母にもこれは知ってるのか確認したついでにこちらにもびっくりをお裾分け。

 少子化についてその方に話したこと。
 今の日本の少子化の原因は子どもを産む人数が減ってるからというのはそうなんですが、統計でみると一人の母親が産む子どもの数が減ってるのではなく子どもを産む母親の数が減ってるのです。
 「結婚しても子どもを産まない若い人が最近は多いから」と仰られましたが、違います。子どもを産む母親の数が減ってるのは結婚しても子どもを産まない女性が増えたからではないのです。
 国勢調査や人口動態統計のデータによれば、1980年代と比べると産まれた子ども全体の中で既婚女性の産んだ子どもの割合は増えてます。既婚女性全体でみると子どもを持たない既婚女性の数は増えていません。増えているのは未婚女性です。若者の人口は減っているのに男女ともに未婚率が増えています。
 だからといって結婚しないことが悪いわけではないのです。何十年も前から一定数存在した結婚したくないのに結婚を強制された層が、社会の変化と経済的な自立により結婚しない選択肢を取れるようになったということとも受け取れるので。
 ただ、昔はそこまで結婚や子どもを持つことを切望していない人でもぼんやり「将来は結婚して子ども作って定年まで働くのかな」と思って本当にその通りに人生を歩むことがあったかもしれませんが、現代では結婚する人や子どもがいる家庭の数が減り、結婚や子どもを持つことのデメリットが周知され、結婚に至る人数及び産まれる子どもの数が年々減ってます。今の社会のままだと今後も産まれる子どもの数は減り続けるでしょうね。

 若者のもらうボーナスについて。
 「〇〇社のボーナスは少な過ぎる。あそこの息子はちゃんと働いていないのじゃないか」とか「平均で96万もらってるのだからもっと若い人は色々買い物して経済を回して」なんて事実と異なることを前提にあれこれ言われたら言われた側は困惑しますよ。
 確かに「大手企業冬のボーナスが平均96万円」みたいなのがニュースになってましたが、そのニュースの調査対象は150社で今の日本に存在する企業の約0.000何%です(後で検索して計算したら約0.0004%でした)。0.000何%の平均であって全体の平均ではありません。日本の企業のほとんどを占める(あとで調べたら99.7%でした)中小企業の今年の冬のボーナスは前年と同額か減額です。おそらく本当のボーナス額平均は下がってます。もっと若者が経済回せる余裕ができるくらいみんなのボーナスが増えて景気が良くなるといいですね。

 その辺まで話してこの後用事があるからと離れました。次に会った時にはあのおばあちゃんの思い込みが直ってますように。