抜山蓋世
 去年から終わらせられずにいた課題の提出物は期限までに何とか仕上げて提出しました。
 提出物の一つ、博物館施設の見学レポートには一年以上掛けて僕が見て回ってきた博物館の中で僕が気に入っている博物館のレポートだけを書いて出しました。
 刃物を収集して展示している資料館やシロアリに喰われた材で建てられた館を持つ昆虫館など、気に入っているところのレポートは気楽に書けました。
 レポート対象には「登録博物館」か「博物館相当施設」が望ましかったのだけれど、好きなところばかりを書いていたら僕のレポートは水族館などの「博物館類似施設」ばかりを取り上げたものになってしまいましたよ。
 
 「博物館相当施設」や「博物館類似施設」というのは、博物館行政上は法律的に認められていない博物館のこと。
 法律上も博物館になるには法が定めた要件を満たした上で煩雑な審査を受けて都道府県教育委員会に登録する必要があって、登録はされていないけれど一定の要件を満たしていて文部科学大臣あるいは都道府県教育委員会の指定を受けた博物館が「博物館相当施設」。
 ちなみに博物館法で規定されている登録博物館になる要件は「博物館資料の存在」「学芸員その他の職員の存在」「必要な建物および土地の存在」「一年を通じて150日以上の開館」の四つ。
 そして「博物館類似施設」は博物館法で定められている博物館の事業と同種の事業を行うけれど博物館法の適用範囲の外にある博物館のことです。
 学芸員資格取得の為の講義でそう習いました。
 
 博物館法を学んでから、幼い頃誰かに「美術館も動物園も植物園も水族館も歴史資料館もみんな博物館なのよ。」と言われた意味が判りました。
 Scientia est potentia.知識は力である、というラテン語の格言があります。法を知ることも何かの力になるのでしょう。