はなびら
 帰宅し服を脱ごうとすると襟元や背中に纏わり付く乾涸びたピンクの欠片に気付かされる。
 今日もそうだった。
 日々散ってゆく桜の瓣を浴びて僕は暮らしているから。

 大量に瓣を散らす花は余り好きでは無い。
 でも全ての桜を嫌う訳では無い。