裏切るな
 何度裏切つても其の度に「次こそ君を裏切ら無い」と僕に謂へ。「二度と裏切ら無い」と謂へ。
 僕は何としても其の言葉を信じ樣とするから。
 何度裏切つてもいいから、もう僕は殆ど諦めてゐるから、其の諦め掛けてゐる僕に僞りでもいいから「裏切ら無い」と謂へ。

 虚僞でもいいから縋り付ける言葉を放て。
 もう君を信用出來無くなつてゐる僕にこそ其の言葉を放て。