美術の分野は、インターネットの使用が遅れている、という話をきいたことがある。
実際、〇〇展+〇〇美術館という組合せで検索しても、出てくる結果は、
1. 美術館(美術展)のポータルサイト
2. チケットプレゼントのページ
3. 〇〇美術館の公式サイト
と続き、やっと
4. 個人サイトの日記
5. 個人サイトの美術系ページ
に行き着く。
これを、音楽の分野、例えば(アルバムタイトル)+(ミュージシャン名)での検索と比較してみれば、おのずと明らかになる。

1. のサイトって妙に数があるんだけど、私の場合、そこで美術展を見つけて行くことは皆無である。Lマガ+ぴあでほぼ網羅できてしまっていて、後は独自ルートをいくつか、で、特に「しまった、見逃した」ということはないし。
しかも、1. のサイトは公立の美術館でも抜けがあるし、私立の、それも宣伝をしない個人宅系は全く載ってない(もちろんこれはポータルで取り上げる弊害も考慮の上だと思うが)。
で、1. のサイトを見て美術展へ行く人って、本当にいるの? という話。

2. のページについては、近年のチケット高騰とスポンサーによる販促(あるいはばらまき)が関係してるのは間違いないとして、問題は 4. と 5. である。
感覚的には、95% 以上が、美術展のチラシ(あるいは公式サイト)での紹介記事の要約+10文字くらいの感想、あるいは10文字くらいの感想のみである。
いや、一言感想が悪いと言っているのではなくて、一見、美術展の感想サイトっぽくても自分の言葉で、思ったことを述べているサイトはほとんど皆無だということである。
だって、音楽系のサイトで、レコード会社の PR文を、(そのまま/要約を含めて)載せているサイトって、見たことがないよ!!

で、「〇〇という画家は△△の巨匠と呼ばれていて、□□という作品は◇◇が▲▲という手法で描いている」、なんて文章に、何の意味があるの? もっと思ったこと、感じたことを語ろうよ、私が美術系で参考になってるサイトって、片手もいらないよ、で、もう一度は BBS に書き込んじゃったし、時に並ぶほど観客がいるのに、みんな何を観てるの? という話。

音楽系の、星の数ほどありそうなサイト群や、文学系の、review-japan やら amazon やら何やらみたいに、美術系が行き着く時代が、いつか来るのだろうか。


しまった、ガラス越しに消えた夏唄うの忘れてた。