2013年11月の記事


隠された記憶
[ネタバレ]
これって、旧宗主国/植民地の関係と
同じだな、と途中から思いながら見ていた。
何十年も前のこと、覚えてない、ウソをつく、隠そうとする、恫喝・脅迫、今の自分の生活・環境を守りたい、…
実際、主人公と相手は旧宗主国と植民地出身者だし。途中の車の陰から自転車にぶつかりかける場面も相手は明らかに黒人だよね。
まぁ欧州の映画なんて半分くらいはそうじゃないかと思うほどしょっちゅう旧植民地かその出身者が舞台だったり鍵をにぎってたりするし、米国映画でも犯罪映画なら必ずといっていいほど(これは経済的・政治的に搾取が続いているといっていい)中南米が絡んでるけど。

で、これは二枚舌外交で有名? な英国と植民地だった英国連邦をはじめとする欧州だけでは当然なく、広く先進国/発展途上国間で今もくすぶるものいいであったりもする。

しかしこの映画は、どこまでも個人間の問題として、いやむしろ個人の資質や裏側の顔として、深く沈んだ真相を(ゴミが水中から浮かび上がるように、あるいは腐乱水死体がやがて浮かび上がるかのように)表出させていく。

ひとこと、「すまなかった」と言えない主人公は、単なる遠い異国の嫌らしい人物というだけでなく、先進国に住む自分自身のきたならしい自画像でもある。


いつも思うんだけど、日本で太平洋戦争というと、真珠湾攻撃とミッドウェイやらと沖縄や大和と、で終わりでかつて占領した太平洋の島々や東南アジアの国々のことは全然出てこない(ビルマの竪琴はちょっと違うよなー)のは、どうしてなんだろうね。
(あっ私は日本人だよ、少なくとも自分の知る親戚縁者を含め)

(GyaO!字数制限前の文)
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