海風 
海風の冷たい町に電車、バスを乗り継いで3人のお客様が
やって来た。

亡き奥様のお父様、お母様、妹さんの3人がお墓参りを済ませて
次女と我家に着いたのは午前9時半頃だった。

私は、外に出て15分位待って「寒い中を大丈夫ですか。」出迎え、
「温まって下さいね。」笑顔でもてなした。

次女は昼から勤務に行くと聞き、一瞬慌てたが仕方がない。
静岡でも有名な川根茶を入れ、和菓子、果実等を差し出すと、
お爺ちゃんと妹さんはぱくぱく食べ始めた。

多弁な母娘さんが二人で同時に私に話しかけられて、
お年寄りのお婆ちゃんのお話を中心に聞いていた。

12時前にお食事を勧めても、遠慮して「昼食は外食をする予定」
次女と急いで駅迄タクシーで帰るまで見送る。

帰る直前に、「お寺に付け届けをお願いね。」どういう意味か、
よく判らない鈍感な私。

その後、直ぐに帰宅した主人に伝えると法事の事らしい。
2年遅れの法事をお寺に行き、今年下旬か、お正月明けに
する事が決定した。

彼が電話をしたら、お婆ちゃんから私に、「どうも有難う。」と、
お礼を言っていた。ホッと胸をなでおろす。