二月の海は冷たくて 
二月の海は、冷たくて散歩をする人も誰も居ない。
押し寄せる白波の近くまで足が向いても、凍えてしまいそうで

遠くから見下ろして川沿いを歩いて家路に帰る。
菜の花も満開に咲いているのに、春は遠ざかってしまった。

富士山頂に雲がかかり、白い雪に曇り空の区別がつかない。
座ったままの二人の傍に居たくはない時、

私は、外に出て新鮮な空気を吸い海へ行きたくなってしまう。
遠くから離れて海を見ていると、涙がぽつりと落ちて

鼻水と一緒に流れ、風に飛ばされて消えてしまった。
気がつけば朝から家族と一口の会話もしていない。

一人で黙々と洗濯したり、台所で食事作りをしていると
「××手伝おうか?」主人が暇な時だけ言ってくれる。

気持は嬉しいけれど、彼に食事は作れないし、お野菜は何度言っても
洗った事もない。農薬に汚染されたお野菜を洗わないので困る。

夜になればしんしんと寒さが厳しくなり、ファンヒーターを点け
夕食の支度にかかる。

二月だもの、寒いのは当然の事で先週の暖かさは異常だった。
この寒さがあるからこそ暖かい春がくると思いたい。