私は弱虫 
夜空にきらきら光る星を見つめ、
人の心の冷たさを寒々とした空気が漂う中、少し考えていた。

人に温かい思いやる心を投げても、冷たい心が返ってくる。
何をしてあげても血のつながらぬ次女には、心が伝わらない。

お仏壇にご飯をお供えすれば、「お母さんに有難う!」と言う。
主人のお茶碗を綺麗に洗えば、「お父さんに有難う!」と言う。

お父さんは、私の大切な夫ですと、口に出せずに黙っている。
今日、準夜勤と一言も聞いていなかったが、

万が一、お仕事に行くならと心配し、時間ぎりぎりに御飯を炊いて置いた。
「御飯はまだ炊けないの!」「大丈夫よ、間に合う様にスイッチを入れたから」

気性の強い次女は、主人の車に乗せて貰い午後3時半に出勤して行った。
こんな言動を見て「気にするな!」と主人が私に言葉をかけてくれた。

毎日、気性の強い次女と顔を合わせる事に恐怖感を感じながら
一年半が過ぎた。もっと気楽に生活をしなければと自分に言い聞かせ、

生活しているが、こんな生活から例え数日でも彼女から離れたい。
私は、なんて弱い無能な人間なのかとつくづく思う。

カモメさえ、一羽で枯れ野に舞い降りて何かを必死で探している。
友人宅からの帰り道に、様々な鳥達が餌を求めて枯れ野に群がっていた。

田園には既に何も無くなり、枯れ葉ばかりがベージュ色に染まり、
白い椿がぱらぱら落ち小川に流れて行く。