別サイトアップ:あなたの人生の物語(テッド・チャン著)、夫婦 − いとしい時間(しょうのかずみ著、ポプラ社)
なんか本ばかり読んでた。Port of Notes のリピート。もう一冊は「幻の猫」(伊藤人譽著)。ふつうの本屋さんでは手に入らない。せっかくなので少し。↓

とりあえず一篇めの 穴の底 を読みはじめる。静かなすりばち。に反して、先ほどからの夕立ちが激しくなる。ごろごろ、を通り越して、バリバリ、ピカピカッ、一瞬電燈が暗くなったり、涼しい風が走り抜けたりする。

村上春樹にも穴の作品ってあったっけ。
青い空、を思い浮かべる。
じりじり暑く涼しい。

変容のとき、読み終えてようやく、ごはんを食べながら読もうと思っていたことに気づく。少々ぬるくなったけど、…そう、それは冷やし中華、石火にリンクし思う没念のとき。

雨が去った静けさと置いていった涼気に、迷いを好奇が打ち勝ち、雪仏 を読み出す。

雪の中を歩いた記憶。天の、灰色のいちめんから、わらわらと涌き出でるかのように数多の雪片が、しかししんしんと静か、周りの喧騒を吸い込みしじまにかえて、降ってくるのを見上げていた。
記憶と幻覚の境。

雪国には雪国の理屈がある。
生業も。
暮らしも。
地の理も。

終えて少し蒸してくる。空が明るくなってきた。

ここまで↑

好い感じなわけである。
でもほんとは、怪奇ものと思って買ったので、ちと意外だった。

意外といえばテッド・チャン、どうしてもしっくりこない感触がわずかばかりある。優れた書き手には違いないのだけれど。

そして「夫婦」も。一息に読んでしまったが、…ほんとは web での文章のほうがエッジが立ってて(短編だからか)好い。