夢見月
冬型の気圧配置になり、再び冬が戻ったように風が冷たい。
一月下旬から咲きはじめて、
四月迄ずっと咲き続ける菜の花の川沿いを歩いた。

数日前に春がきたように暖かい日が有ったのに、
今朝は身を切るように冷たい風が体にぶつかってくる。

一年を通して桜咲く春がくる前の三月が
一番いい時かも知れない。

命の短い桜が散ったあとの侘しさは嫌だわ。
桜の名所は近くに沢山あるけれど、
毎年のように近隣市までお花見に出かけていた。

暖かくなり、植物が目に見えて生き生きとし始め、
蝶が舞い、桜を思い、夢見心地で居られるから、
春眠暁を覚えずなので夢見月なのだろうか。

桜の事を夢見草とも言うので夢見月と呼ばれるのかも。
この寒さでは河津桜が例年より二週間も開花が遅れた。

桜も例年より開花が遅れるという訳ではないらしい。
年度の切り替えで町内婦人会の引き継ぎ等で忙しい。

三月は、高校の卒業式で泣いた事を思い出す。
社会に出たら自分はどうして生きて行こうか、

両親に楽な生活をさせてあげたい等と色々な思いで
胸がいっぱいになって泣きながら卒業式の歌を唄っていた。

友達は大学や短大に進み、卒業式と同時に友達と判れ、
少しの希望と緊張をしながら会社に入社した。

入社後は仕事に生き甲斐を持ち、素敵な人達に囲まれて、
他の高校や大学からから来た人達との出会いも有った。