愚かな私
昨夜未明、総選挙結果で騒いでいた頃、
主人は目覚まし時計を午前4時に合わせていた。

静観していれば良かったものを、
取っ組み合いの喧嘩をしてくたくたに疲れ果てゝ眠ってしまった。

今朝、気付けば彼の姿はなく雨音と風の音だけが聞こえていた。
風がひゅーひゅー吹き荒れても旅に出て行った彼。

私は、身体中の力が抜けて呆然と佇み惨めさだけが心の中に残る。
過去に何度も何度も取っ組み合いの喧嘩をしても反省できない私。

何処に居るのか、明日帰るか、4日後に帰るか見当も付かない。
何時も遊びに行く事を判っているなら、知らぬふりをすれば良かった。

台風の雨風が遠ざかる頃、買物に行き帰りに桜並木を歩いてくれば、
青葉が殆ど風に吹かれて飛んでしまい、木枝だけになっていた。

幸い稲穂が落ちずに済みほっとし、
灰色の空を眺めれば、自分の愚かさに涙が止めどもなく落ちた。