片見月
お月見の真似事に団子をこしらえて、お月様にお備へ申せし、
これはお前も好物なれば少々なりとも亥之助に持たせて上やうと思ふたけれど、
亥之助も、何か極りを悪がって其様な物はお止しなされと言ふし、
十五夜に上げなんだら片月見になっても悪し、、、。

樋口一葉の十三夜の「上」からほんの一部に綴ってある言葉が眼に止まった。
十五夜だけお月見して十三夜もお月見しなければ、

片見月になるという事は、昔も今も同じだと思いながら読んでいた。
昔の人が書く文字は、現在とは違い読めない文字があり読みにくい。

一葉が、17才で家族を食べさせなければならない理由は、
父が事業に失敗した後亡くなり、一葉は渋谷三郎との婚約が解消された。

一葉の婚約者から多額の結納金を請求された事が原因かと想像する。
今夜は、のんびりと樋口一葉の人生記録を読み、24才で亡くならなければ

もっと優秀な作家になっていたかも知れない。そんな事を思いながら
窓の外を見れば、月光がきらきら輝いている。