天上の眼(きくち正太、壼中堂二代目主人物語)
陶磁器の目利き、の少年が主人公、ということで。ぶら雲先生のspin outものらしいがそちらはまだ。
ちょっと珍しく知識偏重な嫌いもあるのが意外だったが、
本当に愛してるんだ。優れたものと、美しさ、正しさ。小林秀雄も渋い顔をしながら一瞬ニヤリとしていることだろう。
真の深さの前に、贋の醜さは軽く吹っ飛ぶ痛快さ。
ただ、最後のすき間…ってのが何とも弱すぎる。義理の父と…ってことも判るが、もっと正正堂堂としていて欲しい。
おせんもちらほら見え隠れするがそんなのは構わん。
ただ、美しい。